Kids Rhythm & Singingのための
リズムトレーニング

「リズム」とは何か? 〜リズムの重要性〜

「リズム」とは、音楽全体ににとっての「命・心臓」のようなものです。辞書などでは「音の時間的な変化の構造」などと言われています。つまり、音と音の間(音符と音符の間)の長さやアクセントの強弱によってリズムは作られます。

リズムをしっかりと理解し、表現できていないと、音楽全体が上手く噛み合いません。逆を言えば、リズムをきちんと理解し表現できているだけで、その音楽全体のクオリティはグッと底上げされる、非常に重要な要素のひとつです。 「グルーヴ」と呼ばれる、曲の高揚感や深みも、リズムが大きく関係しています。

ダンス&ボーカルにおいては、その名の通り「ダンス」と「歌」が曲のなかで同時に行われます。その2つは、リズムによって曲の中でリンクしていて、リズムがダンスと歌の「接点」になるのです。ですので、特にダンス&ボーカルでは、リズムトレーニングは必要不可欠です。

また、ダンス&ボーカルはグループでパフォーマンスすることが多いので、周りとリズムを合わせることで、パフォーマンス・グループ全体のまとまりにも繋がります。 「息を合わせて踊る・歌う」というのは、つまり「リズムが合っているか」ということにもなります。

リズムは、練習してすぐに体に身についたり、曲の中で体現できるものではありません。幼少期や青年期から長期的・定期的に練習することで、どれだけ踊ってもリズムがブレない歌唱をする基礎が養われます。 もちろんそれ以降でも、長期的・定期的に様々なリズムに触れて慣れることでリズム感は鍛えられます。

私たちは、日々の生活の中でも「リズム」に触れています。

例えば、私たちが何気なく話している言葉にもリズムが存在します。

(例)
「コップ」だったら「タッタ」→|○・○ ・|
( ♩・四分休符・♩・四分休符)

「チョコレート」だったら「タタター・タ」→|◯◯◯・◯・・・|
(♪・♪・♪・八分休符・♪・八分休符・八分休符・八分休符)

といった形です。

リズムの「裏」と「表」とは?

リズムには、「表」「裏」という考え方があります。ダンスなどでは「アップ」「ダウン」と言われたりします。
例えば、一小節を四分音符で「1234」とカウントした時に、「1・3・」は表、「・2・4」は裏ということになります。
また別の例だと、「1と・2と・3と・4と」のようにカウントした時に、「1234」は表、「と」の部分が裏ということになります。
図で理解してみましょう。

リズムの「裏」と「表」

トレーニング方法

  1. ネコとイヌの図をみながら、「1234・1234」と4カウントでリズムをカウントします。口に出して「1234・1234」と繰り返し言いましょう。-KR0-1
  2. 口に出してカウントをし続けながら、まずは「1・3」でクラップをして、表のリズムを意識してみましょう。-KR1-1
  3. 2ができたら、次は同じやり方で「2・4」でクラップをして、裏のリズムを意識してみましょう。-KR1-2
  4. ☆4表裏ができたら、表裏を続けて行い、「リズムの表裏の切り返し」に対応できるようにしましょう。KR1-3
  5. 曲の中で理解するために、例として、Foorinの「パプリカ」を流しながら表裏の切り返しの練習をしてみましょう。2×8ずつ表裏を変えてみます。
    はじめはゆっくり、確実に行いましょう。
リズムの「裏」と「表」トレーニング方法

なわとびで簡単リズムでトレーニング ①

リズムトレーニングと聞くと、「音符がまだ理解できない子どもには難しいんじゃないか」と思われるかもしれませんが、このリズムトレーニングは、音符が読めない子どもでも、体を動かし楽しみながら感覚的に覚え、リズム感を鍛えることが十分にできます。

そこで、とても簡単で有効なのが「なわとび」です。 なわとびは、いつも一定のリズムで、法則性を持っています。縄が床につく時と、飛んでいる人がジャンプする時に「1・2・1・2」とリズム感じる練習をしてみましょう。

なわとびを使用したトレーニングでとても重要なことは「リズムを一定に保つということです。また、声に出してなわとびを飛ぶと分かりやすいです。

なわとびで簡単リズムでトレーニング

トレーニング方法

  1. まずはじめに、縄を持たずにクラップ(手拍子)で行ってみましょう。ジャンプをして、縄が床に触れる時、つまり「飛ぶタイミング」でクラップをします。好きな音楽を流しながらやってみると良いでしょう。(推奨BGMは100です)音楽に対して、早くなってしまったり遅れてしまったりがないようにしましょう。KR0-2
  2. なわとびを用意します。(なわとびがなければ、あるつもりで飛べば大丈夫です。なわとびを飛んでいるように、必ず手を動かしてください。)好きな曲を流したり、「1・2・1・2」とやりやすい速さでカウントをしながら、一定のリズムでなわとびをします。KR0-3
  3. ☆一定のリズムに慣れたら、二重とびをしてみましょう。感じられるリズ ムは「ウン・タタ・ウン・タタ」になるはずです。(※「ウン」で床に足が付く、「タタ」でジャンプ・縄が地面を叩くという風になります)KR1-4

なわとびで簡単リズムトレーニング ②
〜GarageBandを使ってリズムキープ〜

※Garage Bandの詳しい概要・使い方に関しては、「Garage Band(ガレージバンド)を使った新しいトレーニング」をご覧ください。

Garage Bandのドラムプリセットを使用して、様々な速さやリズムパターンの中で、リズムをキープしながら、楽しくなわとびをしてみましょう。

なわとびは、ジャンプしている時間と地面を蹴る時間が一定なので、リズムを良く聴き、一定のリズムをキープする練習ができます。 流れている音・リズムを良く聴いて、早くなったり遅くなったりしないように気をつけながら行います。

また、様々な速さやリズムパターン、一定のリズムでなわとびをすることに慣れてきたら、歌を歌ってみましょう。ご自身が好きな歌、練習したい歌で構いませんので、曲のBPMを調べてGarage BandでBPMの設定をして、流しながらなわとびをして歌唱します。

このように、なわとびを行いながら心拍数を上げた状態で歌を歌う練習をすると、体力の強化、乱れた呼吸の中で歌唱する練習にも繋がります。更に、そのような状態に慣れておくことで、実際に激しいダンスを行いながら歌うダンス&ボーカルをした時にも、対応できるようになります。

トレーニング方法

  • Garage BandにあるドラムプリセットのBPM(はやさ)を変えて、一定のリズムをキープして聴感を鍛え、「リズムにのる」という感覚をつかみましょう。BPMの例は以下の通りです。参考にしてみましょう。また、苦しくなると呼吸が乱れてしまうので、鼻から息を吸うことを改めて意識しましょう。声は必ず口からでます。「鼻を空気の入り口、口を出口」という認識を持って練習してみましょう。

    BPM例:
    レベル1→BPM100〜110
    レベル2→BPM140〜150
    レベル3→BPM140〜150
    レベル4→BPM120で、普通のジャンプから二重跳びにしてみよう(ウンタタ ウンタタのリズムになります)

    BPMが上がるにつれて、飛んでいる時間は短くなります。したがって、BGMが上がる毎にジャンプする動き|は小さくなっていきます。コントロールをして行います。

    ▼BPMに関する参照データ
    子供の心拍数平均(cf:子どもの基礎データ・幼児の音楽テンポの嗜好に関する研究)
    乳児はBPM120〜140
    幼児はBPM100〜110
    学童はBPM80〜100

    はじめは、子どもの年齢に合わせて、子どもの心拍数に近いテンポで行うと良いかもしれません。心拍数に近いテンポの方がより馴染みがあるからです。
    特にBPM120あたりが幼児には心地よいテンポなので、100〜120あたりで設定すると良いかと思います。