Pitch聴感トレーニング
index
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P8-1
ハーモニー構成 ~ハーモニー全ての音程をイメージする~
メソッド名:ハーモニーディレクト(インバーテッドコーズ) -
P8-2
ハーモニー構成 ~ハーモニーとフレーズのピッチとのリンク~
メソッド名:フレーズヒアリングトレーニング(レベル 2) -
P8-3
ハーモニー構成 ~ハーモニーが身体の中で鳴り響く感覚~
メソッド名:アカペラソロ絶対音感トレーニング(レベル 2) -
P8-4
ハーモニー構成 ~コード内スケール感覚を養う~
メソッド名:モチーフ&バリエーションメロディー+ハモリ -
P8-5
ハーモニー構成 ~曲中において確実に 3 声をハモる~
メソッド名:ヴォイシング楽曲ハモリ(レベル 2) -
P8-6
ハーモニー構成 ~瞬時にコード内スケールをイメージしてたどる~
メソッド名:フェイクインプロビゼーション -
P8-7
ハーモニー構成 ~自らハーモニーを構成する~
メソッド名:コーラスワーク アカペラ作品 -
P8-8
ハーモニー構成 ~ハーモニーと構成音の協調性~
メソッド名:ポピュラークワイアリハーサル② -
P8-9
ハーモニー構成~正確かつ滑らかなピッチ移動を養う~
速いパッセージのエチュード練習
P8-1ハーモニー構成 ~ハーモニー全ての音程をイメージする~
メソッド名:ハーモニーディレクト(インバーテッドコーズ)
目的
- 普段歌唱のなかで、音程は合っているもののピッチ感がなく全体が不安定に聴こえてきてしまう人が多いので、周りの音に対してのきちんとしたピッチ感を養っていく。
- コードのハーモニーのなかの一員になることで、綺麗にハモっている気持ちのよい感覚を覚えていく。
- 各種ハーモニーのコードネームと響きの色や感覚を自分のなかで記憶していき、普段の歌唱のなかでも活かしていくことができる。
注意点
- ピッチ歌唱中は息が続かなくなったらそれぞれカンニングブレスを行い、グループ全体で音が伸び続けている状態にする。
- 上手く音程が取れない場合、キーボードで音を確認していく。
- 練習していくなかですんなりとハーモニーを重ねることができるようになったら、簡単なコード進行をしながらハモることを実施していっても良い。
主なメソッド内容
- 3人または4人で組んで行います。
- 最初に重ねていくハーモニーのコードネームとコードの響きをキーボードで弾き、感覚で覚えます。
- 次にパート別に下からや上から「uh~」などで重ね合わせていきます。例えばメジャーセブンス、マイナーセブンス、メジャーセブン、アドナイン、シックス、サスフォー、ディミニッシュ、ハーフディミニッシュ、オーギュメントなど。G メジャーセブンスの場合(4人1組で1パートずつ①②③④として下から)。キーボードとともに、①が G ②が B ③が D ④が F と重ねていきます。慣れてきたら次にキーボードなしアカペラで重ねていきます。さらに第一転回形のみならず、①が G ②が B③が D ④が F のあと、①がさらに上の G ②がその上の B ③がその上の D ④がその上の F と第二転回まで行います。
- 次にハーモニーの根音の始まりの順番を②→③→④とずらして回していきます。上手く音程を取れていない場合は、きちんと響きを記憶できるまで繰り返し行います。全員の声が綺麗なハーモニーになったら次のコードネームへと移っていきます。
●音源には楽譜のように 3 つの転回していくコードが収録されています。 レッスンで習ったタイミングや音程の転回に注意しながら、各パート A~D を 1 つずつ練習していきましょう(各タイミングでオクターブ上に転回)。 楽譜では Uh~の発声になっていますが、慣れてきたら別の発声(Hah~や Oh~など)にして練習してみましょう。
P8-2ハーモニー構成 ~ハーモニーとフレーズのピッチとのリンク~
メソッド名:フレーズヒアリングトレーニング(レベル 2)
目的
- その場で動いて流れてくリズムやメロディーに対して、集中力・記憶力・ピッチコントロール・テクニックなどを聴音力を軸としながら養っていく。
- 本人が頭で描いたフレーズと、実際に声に出していくこととのギャップあるいはリンクを自ら認識することが目的。
注意点
- 実際にレスポンスを聴きながら瞬時に判断しリピートしたり難しくしていったりする。
- あくまでピッチのトレーニングとなるので、あまりリズム的に難しいアドリブを避け、音程取りで難しいものに次第にしていくように進めていく。
主なメソッド内容
- いくつかのグルーヴのループコードを用意(アップエイト・ミディアム 16・シャッフル 8or16・バラードなど)。ペアを組んで、始めはシンプルなコードやリズムからアドリブを作りコールします。すぐさまもう1人はレスポンスします(何度か慣れるまでリピート)。
- 次にまた別のアドリブをコール→レスポンス(シンプルなフレーズから少しずつ難しいものにしていく)。1 つのループに慣れてきたら、次のグルーヴのループを行っていきます。
●聴音感覚を意識しながら、いろいろな曲を聴いてフレーズごとにピッチをたどる練習をしてみましょう。
P8-3ハーモニー構成 ~ハーモニーが身体の中で鳴り響く感覚~
メソッド名:アカペラソロ絶対音感トレーニング(レベル 2)
◆使用楽器・小物:キーボード
目的
- アカペラソロ絶対音感トレーニング(レベル 1)【中級:P7-①】ではレッテル 1 つ分やワンコーラス、アカペラソロ絶対音感トレーニング(レベル 2)ではワンコーラスプラス転調などを含んだ音程取りの難しい曲を用意してトレーニングを行っていく。
- 絶対音感は音高の記憶力なので、自分のなかできちんとキーを記憶しながら歌唱することができるかどうかを養っていく。
- 相対的な音感だけではなく、自らが何もない所でキーをキープして歌唱することにより、実際の音源のなかでの歌唱時にも、より正確なピッチ感覚で歌唱することを可能にしていく。
注意点
- ワンコーラス歌唱していくなかで、あまりにもキーがズレていってしまう場合は、途中で止めて再度挑戦しましょう。
- 歌い終わりが合っていても、途中でズレてまた戻っている場合もある。
主なメソッド内容
- まず曲の歌い出しの音程をチェック。
- ペアを組んでワンコーラス歌唱します(聴いている側は何処のフレーズでキーやピッチがズレているかなどをチェック)。
- ラスト歌い終わりの音程をチェック。
- 聴いている側からのフィードバックからポイントを意識し、もう一度歌唱しイメージを修正していきます。
- さらにキーチェンジして再度歌唱してもよいでしょう。
●既存曲をどんなキーで歌い出しても、キーをキープして歌えるようにアカペラで練習してみましょう。
P8-4ハーモニー構成 ~コード内スケール感覚を養う~
メソッド名:モチーフ&バリエーションメロディー+ハモリ
◆使用楽器・小物:キーボード
目的
- コード感やコード内におけるスケールを感覚的に探していくことを養っていく。
- その上に動いているモチーフに対しての音程移動を意識することによって、コード内全体だけだはなく、1 つのラインをイメージしながらの音程移動や幅づくりを養う。
- 修正歌唱を繰り返していくなかで、モチーフに対してハモるピッチ感覚を自然に覚えていくこととなる。
- 楽曲の単独の歌唱時にも、ピッチの安定やアドリブの引き出しの幅、フレージングを正しくしかつ自由度を兼ね備えた歌唱を実現してくことに近づいていく。
注意点
- なかなかラインが創れない場合は、ハモリラインのフレーズの頭の音(3度・4 度・5 度上下など)をヒントとする。
- あくまでピッチのトレーニングとなるので、発声のポジションは自由でよい。
主なメソッド内容
- キーボードによりコード 4 つ程のループを弾き、ある一定の母音(+子音)もしくは複数の母音(+子音)や言葉を使ったシンプルな歌詞などをモチーフとする(既存曲を使用する場合は 1 フレーズずつ行っても良い)。
- ペアを組んで1人は歌い、もう1人はモチーフを覚えます。
- そのモチーフに対してのハモリのラインを考えます。
- そのラインに対して修正ポイントを確認しあい、修正したものを歌唱し綺麗にハモっていきます。
- さらにモチーフをバリエーションしたラインに変え、再度考えて繰り返していきます。
●レッスンで習った点を注意しながら、いろいろな楽曲の音源のメロディーにハモリをつけてみる練習をしてみましょう。
P8-5ハーモニー構成 ~曲中において確実に 3 声をハモる~
メソッド名:ヴォイシング楽曲ハモリ(レベル 2)
◆使用楽器・小物:キーボード、マイク(パート数によって数本)
◆使用楽曲例:「メリクリ」サビ BoA
◆使用楽曲例:「メリクリ」サビ BoA
目的
- ヴォイシング楽曲ハモリ(レベル 2)においては、主メロに対しハモリのラインを 2つ以上覚え、複数声部でピッチを合わせていくことをメインとする。
- キーボードとの相対音感を基本的に養っていくなかで、相手のラインにつられず自分の音程をきちんと歌唱していきながらも、全体の複数のラインのピッチ感を聴きながらお互い気持ちのよい周波数で共鳴しあえるまで繰り返しトレーニングを行い、フレーズの求めているピッチを感覚で理解できるようにしていく。
注意点
- ピッチ感を重点に置いたトレーニングとなるのが、ヴォイシング楽曲ハモリ(レベル 2)となるので、アーティキュレーションや音色・リズム・スピード感を合わせてハモっていく。
- 音程のイメージが良くても、発声リスクのためピッチが不安定になるケースは、発声的な観点からも注意して行う。
主なメソッド内容
- 楽曲の主メロをグループで練習(音程やピッチ・リズム等の確認を行います)。
- 次にハモリのライン複数(3 度上や下、5 度上、4 度下、6 度下、オクターブ上や下など)を再度グループで練習。
- ラインをすべて覚えられたら、パートがある数だけパート分けを行いグループ同士全体で練習します(入れ替える)。
- 慣れてきたらキーを上げ下げするなどしてさらに相対音感を鍛えていきます。
●既存曲の楽曲音源のメロディーに合わせてハモっていく練習をしてみましょう。
P8-6ハーモニー構成 ~瞬時にコード内スケールをイメージしてたどる~
メソッド名:フェイクインプロビゼーション
◆使用楽器・小物:キーボード、マイク、ループ音源集
目的
- ペアを組んで、フレーズの作り方などをお互いに聴き合い引き出しを増やしていく。
- コード内で使えるスケールを、理論的にではなく感覚的に覚えていく。
- まず、上手く歌唱できたときと失敗したときの感覚の違いを自らが気づけるようにしていき、失敗する確率をなくしていくことで、安定したインプロビゼーションが瞬時に作り出せるようにしていく。
- 安定した自然なフレーズをいつでも作り出し歌唱できるようにする。
- 慣れてきたら、楽曲や歌っていくことを楽しみながら行えることを最終目的とする。
注意点
- とにかく失敗を恐れずにまずチャレンジしていくことが重要である。
主なメソッド内容
- コードをループし、各自少し考える時間を作ります。
- ループしているコード内で作ったフレーズを歌唱していきます。
- お互いに作ったフレーズに対してフィードバックしましょう。
- 一通り慣れてきたら、歌詞を変えたり、フレーズを長くしたりして少しずつハードルを上げていきます。
- その他テンポを変えてみたり、ビート感を変えたりして行っていっても良いでしょう。
●既存楽曲の音源に合わせてアドリブを作りながら歌う練習をしてみましょう。
P8-7ハーモニー構成 ~自らハーモニーを構成する~
メソッド名:コーラスワーク アカペラ作品
目的
- 4人〜5人ほどのチームを組み、自らパート分けし、自らベースラインはじめ、多くのハモリラインを創り出していくことで、コード感及びコード内スケールやフレーズの求めている音楽性を養っていくことが目的。
- 1 人ひとりのアイディアや表現方法を話し合っていくなかで、自分にはない感覚や手法を増やしていく 1 つの手立てとなる。
- さらにはチームで協力して 1 つのパフォーマンスを生み出していくエンターテイメントとしてのディレクション能力も養っていくこととなる。
注意点
- 上手くいかない時は何度か繰り返し行う。
- あくまでピッチのトレーニングのカテゴリーの 1 つだが、作品として全体的にグルーヴ感や声の出し方も注意する。
主なメソッド内容
- チームを組み、自分たちで話し合い練習しながらアカペラ作品を創作していきます。
●いろいろなハモリを作りながら、歌う練習をしてみましょう。
P8-8ハーモニー構成 ~ハーモニーと構成音の協調性~
メソッド名:ポピュラークワイアリハーサル②
目的
- ポピュラークワイアリハーサル②においてはポピュラークワイアリハーサル①【中級:P7-④】より難易度の高い楽曲やコーラスワーク・複雑なパート構成のものを作成し、最終的にはソロパートやアドリブパート・ラップパートなどやコンダクターを入れたクワイアを構成していく。
- ゴスペルのように、精神的プレッシャーを個別に受けることなく解放した発声のなかで協調しながら合唱しハモっていくことで、気持ちのよい調和したハーモニーのなかに身を置き感じ聴き歌い、自然と本来身につけていくべきピッチ感覚やフレージングを自分のなかに取り入れていけるようになる。
注意点
- あくまでも楽しみながらもピッチのトレーニングではあるが、クワイアの作品としてダイナミクス・発声のポジション・グルーヴ感やフレージングなど、全員で揃えて楽しんで歌っていけるようにする。
- ソロパート・アドリブパートなどはチェストボイス(実声・地声)をベースにクワイアの響きから突き抜けて歌えるように意識する。ェイクパートなどは実声をベースにクワイアの響きから突き抜けて歌えるように意識させる。
主なメソッド内容
- キーボード伴奏による(リズム隊音源を使用しても良い)ポピュラーミュージックの合唱形態トレーニング。
- チームを組み、ポピュラーな日本の曲や洋楽を、ゴスペルクワイア風にアレンジしたものを作成していきます。
- キーボードにて各パートを順番に練習していきます。
- テンポやキーを変えていって練習するなどしてクワイア全体として楽曲を理解できるようにしていきます。
- ソロパートやアドリブパートなども順番に回し練習。
- 歌唱中はクラップやステップなどを自然に揃えて伴わせます。
P8-9ハーモニー構成~正確かつ滑らかなピッチ移動を養う~
速いパッセージのエチュード練習
目的
- 細かいメリスマ(フェイク)などのイメージを持つことができても、実際に発声するとぎこちなくなってしまうケースから少しずつ体現できるようにしていく。
- 発声が硬いと素早いピッチ移動ができないので、喉を柔らかく使えるようにしていく。
- 音程のイメージを発声する直前にイメージし、追っかけていく力を養う。
- 実際に滑らかなピッチ移動を体感することで、楽曲歌唱時にもイメージ良くメリスマ(フェイク)にトライできる意識をつけていく。
注意点
- 身体でしっかりと支えながら喉を柔らかく動かすことによるピッチ移動。
- 発声のポジションは楽に発声しやすい声の出し方で行う。
- 移動を速くすると不安定になってしまう場合は、慌てずゆっくりと練習する。
主なメソッド内容
- 16 分音符や 6 連譜などの速くて長いパッセージのエチュードをゆっくりと練習(各母音の伸ばし)する。しっかりとパッセージを記憶し、慣れてきたら半音ずつ上げ下げしていく。ゆっくりから次第にテンポアップしていき素早く喉を転がしながら滑らかに正確に音程をたどっていく練習。 (マイクを使用していってもよい)。
●覚えたパッセージをピアノなどで確認しながら練習しましょう。