Kids Rhythm & Singingのための
聴感と発声トレーニング

Call & Response Vocalization Methodとは?

Call & Response Vocalization Methodとは?

Call&Response vocalization method(コールアンドレスポンス ボーカリゼーション メソッド)とは、歌うことが超初心者の方や音楽というものが理論的にまだ理解できない幼児、さらには、すでに音楽を習っている上級者にも対応可能な “楽しみながら聴感・リズム・発声に慣れていくことができる発声メソッド” です。

一般的な「発声練習」と呼ばれるものは、講師が演奏するピアノに合わせてソルフェージュやスケールの練習を行うものを想像しやすいかと思います。この時、立った状態で、体は動かさずにすることが基本です。

ですが、このCall&Response vocalization methodは、既存の曲に合わせて、クラップやステップをしながら講師(ガイド)の真似をし、即再現・アウトプットをします。

このメソッドの特徴は、流れている音楽や周りの声をよく聴きながら声を出すので、 “大人数になればなるほど” たくさんの情報(音)を耳から入れることができ、周りと自分の声を比較したり共鳴する感覚を身に着けることが自然とできるようになります。

また、1人や少数で行ったとしても、リズムに合わせて、まるで歌っているかのように楽しく、より実際の歌唱に近い状態で発声練習をすることができます。超初心者や幼児においては、まずはじめに大きな声を出すこと、そして様々な声の種類・高さを、頭ではなく体の感覚で自然と養うことができます。

Call&Response vocalization methodで使われる主な声の種類

歌を歌う時には、高い声や低い声、柔らかい声や硬い声など、様々な声を使います。また、それらを曲によって変化させ使いこなすことで、感情表現ができたり、喉への負担を減らした状態で高低音をスムーズに出すことができます。

このCall&Response vocalization methodは理論的に頭で理解するよりも、子どもが楽しく思いっきり声を出し、自然と発声練習ができるようになることを目指していますが、ここでは主に使われている声の種類と呼ばれ方を説明します。

主な声の種類

・チェストボイス(実声):これは「通常の話し声」を想像すると良いかと思います。胸に音が響いているのを感じることができます。音は太く、しっかりとしたダンディな声のイメージです。
例:遠くにいる人に「おーい」と声をかける時、大きな犬の「ワンワン」という鳴き真似をする時

・ヘッドボイス:音としては、かたくて高い音のイメージです。声帯が完全に閉じた状態で開鼻音と呼ばれる鼻声を使うと再現が可能です。柔らかな高音ではなく、パワーのある高音を出すときに使われることが多いです。響きは頭に集まるイメージです。
再現例:口を閉じた状態で鼻から息・音を出すイメージでパトカーのサイレン音をする時、高めの声でフクロウの鳴き真似をする時

・ミドルボイス(ミックスボイス):ミドルボイスはミックスボイスと言われることもある高音でかたい高音です。ヘッドボイスは頭の上から出すイメージですが、ミドルボイスはより鼻に響きが集まった音です。ヘッドボイス同様に、声帯が完全に閉じた状態で鼻声を使うと再現が可能です。
再現例:ネコの鳴き真似

・ファルセット(裏声): “地声から裏返った、喚声点を越えた声”や “息混じりの弱々しい裏声” といわれています。ファルセットは合唱などで綺麗な高音を出すときに使われますが、カラオケやダンス&ボーカルではあまり使われません。
再現例:内緒話をしながら高い声を出すときのイメージ


また、長さには以下のようなものを主に使います。

・スタッカート:音と音を短く切って歌唱する方法です。音を短く出すため、アタックするように歌うことでアクセントになることもあります。

・ロングトーン:一つの音を一息で長く歌唱する方法です。ロングトーンにアクセントが加わることで音に波ができ、ビブラートをすることが可能になります。

※Call&Response vocalization methodには、講師(ガイド)によって自由にカスタムができるという特性があります。生徒のレベルや指導内容によっては上記以外の声を使用することもあります。

実際にやってみよう 〜自宅で楽しく発声練習〜

自宅やレッスンなどでCall&Response vocalization methodをする際は、インストゥルメンタルと呼ばれるオフボーカル・カラオケ音源(伴奏音)を使用してください。 使用する楽曲は既存の曲でも、オリジナル音源でも構いません。また、BPMは100〜120を推奨しています。

①「基本的なCall&Response vocalization method」

使用する言葉は「アイウエオ(AEIOU)」のみです。はじめは、「アー」「イー」など、一文字で母音それぞれを実声で発音します。 慣れてきたら、「アオウ」や「ウエア」などランダムで三文字くらいを繋げて実声で発音します。

②「鼻腔共鳴(鼻声)を使ったCall&Response vocalization method」

使用する言葉は「ネイ(Nei)」です。「ネイ」と発音すると自然に鼻に音があつまり、ヘッドボイスやミドルボイスを作りやすくなります。「ネイネイネイ」と続けて発声し、音の高さを高くしたり低くしたりしながら練習します。

③「リップロールを使ったCall&Response vocalization method」

リップロールとは、口を閉じた状態で空気を外に出しながら、唇をブルブルと震わすことを指します。リップロール には、発声練習に重要な様々な要素があります。 例えば、表情筋のリラックス、息を強く出すことによる横隔膜のトレーニング、実声とヘッドボイスやミドルボイスを滑らかに繋ぐトレーニングなどです。 曲の中で、音程や長さをコントロールしながら行います。リラックスした状態で流れるような息の中で行うことがポイントです。

④「体を動かしながら行うCall&Response vocalization method」

使用する言葉は「タラ スタ スチ スツ ステ ストラ (TALA SUTA SUTI SUTSU SUTE SUTO LA) 」です。テンポよく口に出して言ってみると、シャッフルビートと呼ばれる軽快な跳ねるリズムを感じることができると思います。一定のテンポでリズムをとりながら、体を動かし同時に発声することで、洋楽やダンス&ボーカルなどで使用されていることも多いシャッフルというリズムを感じることができます。
実際のレッスンでは、ダンスのようにステップを踏みながら発声しますが、自宅などで行う場合は、BPM100でジャンプしながらタラ スタ スチ スツ ステ ストラ 」と発声します。

ラップがもたらす効果とは?

ラップがもたらす効果とは?

子供向けの歌唱メソッドで「ラップ」と聞くと、少し想像しにくいところもあるかと思います。ですが、ラップを練習することには多くのメリットがあります。

例えば、ラップで重要な要素の一つに「韻を踏む」というものがあります。これは「母音が同じ言葉を繰り返す手法」のことを指します。韻を踏もうとするときには必ず「子母音分離」を行います。例えば「クリスマス」は「ういうあう」のようになります。子母音分離を行うと、後ほど「Vowel Singing(母音歌唱)」でも述べるように、口が自然に大きく開き、言葉がはっきりと発音されて歌詞が伝わりやすくなったり、滑舌もよくなります。また、ラップ歌唱は、リズム感があるかないかがはっきりと分かってしまいます。つまり、ラップ歌唱を練習すると、ずれることなくオンタイムでリズムに乗り歌唱する習慣が身につくのでリズム感向上にもなります。

さらに、近年の海外のトレンド曲の多くにラップパートが入っていたり、アメリカなどでは歴史などを深く理解するためにラップを学校の教育教材の一つとして使用しているところも多く存在します。
このように、ラップはあらゆる理由で注目されており、今後、音楽に一層欠かせない大きな要素となっていくでしょう。

リズムをキープして早口言葉に挑戦してみよう

早口言葉は子母音分離をする点で共通しています。また、音程を気にするのではなく、リズムに集中します。ただ早口言葉をいうのではなく、リズムに合わせて早口言葉を行いましょう。

Garage Bandのメトロノームやサンプルトラックを使用し、リズムをキープした状態で早口言葉を声に出しましょう。

BPMは85〜90から始めて、できるようになったら速くしていきます。

リズムをキープして早口言葉に挑戦

口を大きく開けて動かすことを意識します。4カウントで数えた時に、1と3にアクセントを置きます。「あえいうえおあお」の場合、最初の「あ」と「え」にアクセントという風になります。アクセントを置き、意識的に発声することで、どこに声のボリュームが大きくなるポイントがあるかが明確になり、楽曲を歌った時に楽曲それぞれが持つグルーヴ感を演出することができます。 ラップは「ノリ」が大切ですので、ラップの超基礎練習としてこのトレーニングを入れていくと良いでしょう。KV1-1

また、応用として有名な早口言葉で挑戦してみても良いでしょう。
例えば、「バス ガス 爆発」「生麦 生米 生卵」など、子供が4カウントで数えやすく、難しくない言葉から始めると良いでしょう。

レベルが上がってきたら、BPMの変更やステップを踏みながら、クラップをしながらなど、「声+体の動き」を加えていきましょう。KV1-2