ブレストレーニングは、肺活量を増やしたり、歌う時のブレスの量や強さをコントロールをするために、とても重要なトレーニングです。
ダンス&ボーカルでは、激しい動きをしながら歌うため、息が上がってしまってブレスコントロールが難しくなってしまうことも多くあります。ですので、スムーズにブレスを行う方法や、脱力した状態でブレスコントロールをするトレーニングを繰り返し行うことで、息が上がっても安定した声を出せるようになります。
また、きちんとした腹式呼吸には、リラックス効果や自律神経を調整する働き、横隔膜を上下させることでの腹圧の変化で便通改善の効果も期待できます。また、胸式呼吸よりも肺への負担も少なく行えます。
ダンス&ボーカルの基本的な体作りのためにも、腹式呼吸を行いましょう。
まず大前提として、呼吸はいつも「鼻から吸って口から吐く」を意識しましょう。また、吸い込むときに肩が上がらないように注意しましょう。吸い込む時も吐く時もリラックスして行うことがポイントです。お腹が大きく膨らんだり凹んだりしていることも手のひらをお腹に当て、確認しながら行うと良いでしょう。
体幹というのは、文字通り「体の幹」です。主には体の胴体の内側の筋肉(インナーマッスル)を鍛え、バランス感・芯のある体を作る上で必ず鍛えるべき重要な部分です。
ダンス&ボーカルにおいては、このインナーマッスルが鍛えらえていないと力強い声がお腹から出にくかったり、芯がないブレたダンスになってしまったりします。
そこで、年齢や体力に関わらず、効果的に体幹を鍛えられるエクササイズとして「プランク(エクササイズ)」がとても効果的で有名です。 これは国内外問わず、数々のダンス&ボーカルアーティストやダンス・ボーカルスタジオで行われているトレーニングです。
プランクとは、体幹を鍛えるのに最も有効なトレーニングのひとつです。プランク(Plank)とは、英語で「板」を表す言葉で、体を腕立て伏せの体勢でキープし、まさしく板のような状態をキープするエクササイズです。筋力がなく腕立て伏せができない人でも効果的に鍛えることができます。
普段から歌・ダンスの練習に合わせて、このプランクエクササイズを取り入れてみましょう。続けてトレーニングすることで長時間できるようになったり、それに伴いブレない体を感じることができてくるでしょう。
プランクトレーニング行う際は、平らな床の上で行い、ひじの部分にタオルなどをひいて行うことをお勧めします。(タオルがすべらないように注意して行ってください。また、無理せずに行ってください)
一般的に、歌を歌う時に必要なのは腹筋だと言われています。ですが、実は背筋をトレーニングすることも非常に必要です。
体の骨や筋肉の作りの話をすると、横隔膜と呼ばれる、空気の量を調整したり、歌うときに芯のある声・ブレない声作りを支える部分が胸とお腹の間、みぞおちの部分にあります。そして、この横隔膜を支えるのは、その周りにある筋肉です。
また、腹式呼吸には、この横隔膜が非常に重要です。腹筋も、この横隔膜周りを支える筋肉としては役割を果たしているのですが、実はこの、横隔膜を支える筋肉は背筋の方が大きいのです。(腹筋の約3倍あるとも言われています。)
例えば、腹筋ばかり鍛えすぎたり、背筋ばかり鍛えたりすると、体の筋肉のバランスが悪くなり姿勢が悪くなる原因にもなります。そういった理由から猫背になったり顎が上がってしまったりすると、それらの横隔膜を支える筋肉が上手に使われないので、姿勢にも注意することが大切です。
バランスよく筋肉を鍛え、横隔膜をより良い状態で動かせるようにしましょう。そうすることで、腹式呼吸を安定して行うことができ、歌を歌うのに必要な筋肉たちがリラックスし、スムーズに声が出せるようになります。
仰向け歌唱練習法とは、その名の通り、「仰向けの状態で歌を歌うこと」を指します。
仰向けでの歌唱にはいくつかの特性があります。
まず、仰向けの状態になることで、子どもや初心者に多くみられる、声を出すときに体に余計な力が入ってしまったり、肩が上がってしまったり、力みすぎてしまうという問題を解決することができます。 また、仰向けになることで体がリラックスし、呼吸も大きく吸いやすくなります。
仰向けの状態では、体は完全に脱力しているので、首や肩、喉などに力が入りにくくなります。すると、お腹と背中の力のみで声を押し出すことになり、この「反強制的に脱力している」という状態で歌を歌うことで、無駄な筋肉を使ったり、力んだりせずに、腹式呼吸で息をたっぷり吸って歌を歌うことができます。
もちろん、普段出している声のボリュームより少し小さくなったり、人によっては音程がとりにくくなるという風に感じるかもしれません。 ですが、この仰向け歌唱法をしていく中で、だんだんと「リラックス状態で声を出すこと」に慣れてきて、同時に肺活量も鍛えられるので、日々のトレーニングに取り入れることをオススメします。
また、壁に頭と背中をつけて歌唱練習をすることも、正しい姿勢で比較的脱力した状態を作れるのでオススメです。